【鉄拳】しゃがみステータスと姿勢潜り
鉄拳は技の最中のモーションと当たり判定がかなり忠実に設定されている方で、これが鉄拳特有のシステムによらない潜りや、対横判定などの大きな要因となっています。この潜りという現象と、しゃがみステータスというシステムについて混同されている場合をたまに見かけますので、この記事では詳しく解説します。
しゃがみステータス
しゃがみステータス、というものが存在します。このシステムは鉄拳5から導入され、現在の鉄拳をプレイされている方なら、使用頻度の多寡はあれど存在自体はほぼ全てのプレイヤが周知しているシステムだと思います。必要かどうかは分かりませんが、一応概要を記載します。- 技ごとに別々に設定されたフレームから発生する。
- 相手の技の判定、自分の技の姿勢に関係なく、上段技を一律で無効化する。
- しゃがみ時に特別な技効果が設定された技の対象になる。
しゃがみステータスは技ごとに発生フレームが決められています。一般的なシットジャブ(いわゆるしゃがぱん)は4Fでしゃがみステータスが発生します。
これは例えば、自分が-9の不利があるときにしゃがぱんを擦り、相手が上段技を出していても、しゃがみステータスの発生が間に合わないため相手の上段技に負けることを意味します。しゃがぱんがワンツーに負けたぞ!バグかよ!とナムコを呪う前にフレーム状況を見直しましょう。
しゃがみステータスはしゃがんでいる状態と同じとみなされるため、相手の技自体の判定がいかに広大でも上段であれば技が当たることはありません。ここに今回比較したい姿勢潜りとの違いが顕著に表れます。
どういうことかと言うと、最も有名で広大な判定を持つ上段技の代表として三島家の風神拳(6n23RP)があります。この技は上段技ですが、下方向にも非常に判定が低く、例えば一八の左踵落とし(66LK)ヒット時のやられ状態にも風神拳はヒットさせられます。言うまでもないことですがワンツーや閃烈脚(RK)、速疾號打(4LPRP)といった普通の上段技ではこのやられを拾うことはできません。六腑砕き(3LP)や魔神連震殴打(4RPRKLP)初段など、判定の低く出る中段技での拾いがオーソドックスです。
こうした中段技に勝るとも劣らない下方向への攻撃判定を持つ風神拳ですが、一方でこの技は上段技です。そのため、しゃがみステータスを持つ技は例えその技の姿勢がどんなに高くてもヒットすることはありません。これはシステムで保証されているので、発生フレームが間に合わない場合を除き例外はありません。
先述のとおりですが、しゃがみステータスはしゃがみ状態と同じとみなされます。そのため、しゃがみ投げを合わされた場合は投げられますし、ポールやレオなどしゃがみにノーマルヒットした際に浮かせられない右アッパー(3RP)がヒットしても浮くことはありません(ただし発生前に潰された場合はカウンターとなるので、結局は浮きます。技後もしゃがみステータスが持続するしゃがぱんやローキックをスカして右アッパーをヒットさせた場合が例としては分かりやすいでしょう)。
姿勢潜り
しゃがみステータスがシステムであったことに対し、姿勢潜りは現象です。システムで保証されたものではありません。そのため、似たような場面でも起きたり起きなかったりの不確実性があったり、自分と相手キャラの技によっては現象を起こしにくかったりします。姿勢潜りの代表的な技としては、デビル仁の輪廻(8RK)、クラウディオのスカイエンドノヴァ(9RK)、クロエのサプライズホップ(9LK)、ラースのトリガードスクリュー(9LK)などが挙げられるでしょう。
これらの技にはしゃがみステータスはついていませんが、技中姿勢が低くなるために一部の技をスカしながら攻撃することができます。特に前述の中だと輪廻の潜り性能は群を抜いており、上段技どころか中段技もそこそこ潜ります。
クラウディオのスカイエンドノヴァはかつては非常に強力な潜り性能を持った技でしたが、あまたのプレイヤから恨みを買った結果現在ではたまに上段技を潜る程度に落ち着いています。
こうした潜り性能のある技に共通して言えることは、しゃがみステータスがないために判定の大きい上段技には負けることが多いですが、逆に判定の高い中段技も潜って技を当てられることがあることです。
例えば、ラースのフラッシングドライブ(3RPLP)初段はなかなかの潜り性能があり、多くのキャラのLPを潜って攻撃することが可能です。しかし、判定の大きい上段技代表である風神拳は言うに及ばず、打点が最も低いと思われるLPを持つ一美のLPや、大抵のキャラのハイキックにも負けます。
逆に、ブライアンのストマックニー(6LK)やLKは非常に打点の高い技として設定されており、輪廻やサプライズホップなど潜り性能に優れた技であればかなりの確率で潜って攻撃することが可能です。
姿勢潜りはシステムによって起きているものではなくモーション中の当たり判定による結果であるために、先述のとおり上段技でも潜れない技もあれば中段技でも余裕で潜る技が出てくるわけです。
また、モーション中でも姿勢が低いときと高いときがあるため、輪廻でもワンツーで潰される場合もあればブライアンのフライングヒール(9RK)のような一見姿勢が低くはない技でも一瞬だけ潜る場合があります。
ここが鉄拳の曖昧さであり、一見運のように見える部分でもあります。しかし、タイミング、軸などの条件を合わせれば姿勢潜りはかなりの確率で再現します。
例として、吉光の禍電(3LPRP)2発目はかなり打点の高い上段技ですが、この技は1発目ガード後にラースのストームヒール(9RK)を出すことで常に潜ることができます。ストームヒールも通常潜り性能のある技ではありませんが、禍電の打点の高さとストームヒールで最も姿勢が低くなる瞬間が噛み合ったためにこの現象が起きているのでしょう。
最後に、しゃがみステータスと姿勢潜りは相反しません。リリのエーデルワイス(1RK)はしゃがみステータスのついた技ですが姿勢自体も相当低く、かなりの数の中段技を潜ることができます。リーチが短く発生も遅いので、ある程度練度の高いプレイヤの間ではあまり使われない技ですが、こと潜りに関して言えば最高峰クラスの技だと言えるでしょう。
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