鉄拳6BRで初登場したアリサも鉄拳7で3作目。アリサの一番の特長と言えばバックダッシュと横移動の強力さであることは間違いないでしょうが、特定の技から構え移行可能なデストロイフォーム(以下DF)もアリサの特長の一つと言えるでしょう。TAG2までは攻めの継続性が低かったり、構え中の技発生とフレーム優劣が噛み合っていなかったりと、分からん殺し要素が大きい構えでした。しかし今作になり様々なアップデートが繰り返された結果、相手の行動に対処できる技が増え、また単純に技性能が上がったこともあり、性能の高い技を繰り出すことができる構えとなっています。この記事ではアリサを使う側の視点でDFの解説をしていきます。
アリサ:デストロイフォーム技解説
デストロイフォーム(2WP)
2WPで直接DFに移行できます。このコマンドを実戦で使用することはほぼないでしょう。構え中は機動力が著しく下がります。具体的にはステップイン、バックダッシュが専用の別動作となり、横歩きはできなくなります。また、相手の上段攻撃をしゃがむことができなくなります。前進、後退はさほど性能に変化はありません。特筆すべき事項として、チェーンソーによる攻撃は普通の当身系の技に取られることがありません。下段もまた同じ(= 捌かれない)です。ただし、鉄拳で通常当身に取られることのない肘・膝、刀、チェーンソー、バットなどを全て取ることのできるギースの当身投げだけはこれも取ることができます。
デストロイフォーム解除(DF中1 or 2WP)
デストロイフォームを解除します。解除モーションは特殊な状態となっており、ガードできる硬直となっています。具体的には以下のような特徴があります。
- 上段攻撃、中段攻撃を立ちガード可能
- 下段攻撃をしゃがみガード可能
- 投げをしゃがもうとするとピンクのエフェクトは出るが投げは成立しない
- 上段攻撃をしゃがもうとすると立ち状態で食らってしまう
- 下段捌きをしようとすると上中下段全てを食らう状態となる
シュレッドチッパー(DF中LP)
DF中に出る中段技の中で最速の中段攻撃です。ガードされても確反を受けず、ヒット時はよろめきダウンとなり、平地であればデュアルブート(DF中66 or 6WK)からのブラスタードリル(デュアルブート中WP)が横転以外に確定、横転にも遅らせブラスタードリルが入ります。まとまったダメージが取れて確反を受けない発生の早い中段攻撃は言うまでもなく強力です。この技はこちらが有利を取った際に相手の暴れを読んだときに使う技です。+5以上有利であれば吉光ブレード(吉光:LP+RK)などの特別に発生が早い技を持たない大半のキャラには決して割れない連携が作れます。ガード後は-9となり、おとなしくするのが基本ですが、発生の遅い技をかぶせてくるようであれば暴れや回避行動も視野に入ってきます。
シュレッドアッパー(DF中RP)、シュレッドアッパーロケットパンチ(シュレッドアッパーヒット時LP)
ガードされても反撃を受けない浮かせ技で、ダメージは微々たるものですが相手のダウンにもヒットします。また、技モーション中はモーションによる潜り性能も持ちます。この技は二択の中段として活躍します。かつてはガード時も-3と非常に軽く、ガードを前提にした連携も可能でしたが、現在は-8となりシュレッドチッパーと同じくガード時はおとなしくするのが基本でしょう。シュレッドアッパーロケットパンチは高威力の追撃からDFが解除されるのでコンボの自由度をあげることができ、ガード時に入力してもデメリットはないのでこの技を出すときは毎回LPを入力しておくとよいでしょう。
アイドリング(DF中LK or RK)
入力したボタンに応じたチェーンソーの回転が速くなります。シーズン1まではLKとRKを交互に高速で入力することでアリサがかたかた震える行動が可能でしたが、シーズン2から連続入力は受け付けられなくなりました。非常に地味な見た目で、特殊効果等も何もありません。
デスマリオネット(DF中WP)
上段のホーミング攻撃です。ヒット時は回転やられ。横移動しがちな相手に。上段なのがネックですが発生も15とそれなりに早く、ガードされても五分であるためまだまだ展開を作れます。また、空中ヒット時はスクリューとなります。DFの弱点の1つに攻撃が空中判定となったときコンボにいけないことが多いのが挙げられますが、この技はスクリューからの追撃が可能です。
ヘルツブレード(DF中6LP)
DF中に出る技の中で最速の攻撃です。上段ですが、発生は12と早く、ガードさせて+2、ヒット時は+11とフレーム優劣は良好。相手のしゃがみステータス以外を読んだときに、ガードされてもターンを維持しながら暴れをケアすることができます。+2ということはこちら側は相手のしゃがぱんをジャンプステータス以外で潰す手段はなく、LPにもヘルツブレードが相打ちと最速暴れを技で潰すことはできませんが、横移動を挟んで技を出すことでこれをフォローできます。また、技の攻撃判定が複数回出ますがこのつなぎが非常に早く、相手にレイジアーツを合わせられてもアーマーに全段ヒットさせたあとレイジアーツをガードすることができます。レイジアーツを読んだときも技を出せるのは明確な利点でしょう。
ヘルツブレード・イージス(DF中6RP)
対空中ガード不能技です。ヒットさせると大きく間合いが離れていくため、ウォールバウンド始動技など壁絡みのコンボのつなぎ以外に使用することはないでしょう。クマなど身長の高いキャラに密着で出しても、チェーンソーが相手を貫通しヒットしません。ヒット時に間合いが離れなければ豪鬼やギースなどの生ジャンプ対策にもできたかもしれませんね。余談ですが、このゲームは空中ガードはないと思われています。しかしデビル仁の飛空(WK)の下降中だけは空中ガードが可能で、通常の上中段技はガードができます。ですが、アリサのこのヘルツブレード・イージスやデビル仁、デビル化した一八のエアインフェルノ(8WP)は下降中の飛空もガードできず、空中ガード不能技であることが確認できます。
ヘルツブレード・ディアボロ(DF中6WPWP)
ガードさせて有利なコンボ始動の中段技です。発生は23と遅いですが、ヘルツブレード・スカッド(DF中2LP)と3フレームの差なのでファジーガードを意識している相手でなければ二択の中段にも使えるでしょう。6WPで止めるとガードで+7となり、続くシュレッドチッパーが割れません。二発目はディレイが効きますが、元々一発目が有利であること、二発目ガード時は大幅不利となることから普段は封印してよい派生です。一応、起き攻めでヘルツブレード・ディアボロを出して相手が寝っぱだったとき、スカりに起き蹴りを出す相手に二発目をヒットさせる連携が可能ですが、さほど多くある場面ではないでしょう。2発目ヒット時は相手を大きく後ろに跳ね飛ばし更に受身不能ですが、アリサ側の硬直が非常に大きく、アリサ側が壁際でヒットさせた場面でなければ追撃はありません。壁際でヒットさせた場合も相手頭側となり、スピンドルスラッシング(DF中9WP)は飛び越えてしまうことからヘルツブレード・スカッドくらいしかよい追撃はないでしょう。ちなみに、1発目の判定は8回出現しますが、この4~7回目のどこからでも2発目に移行できるかなり珍しい技でもあります。
ヘルツブレード・スカッド(DF中2LP)
DF中の下段技で最も発生の早い下段攻撃です。ダウンこそ取れませんがダメージも22と大きく、ガードされても-12とゲージ絡みの2Dキャラ以外には浮かされません。更にヒット時は+3で相手しゃがみ、しゃがステを持たない暴れには全てヘルツブレードで勝て、しゃがステがあっても発生が生ロー以上ならシュレッドチッパーで対応可能です。唯一ステータス技以外で潰せないのがしゃがぱんですが、ヘルツブレード・スカッドにはもう1つ大きな特徴があり、ヒット時食らった相手はやや側面を向かされます。このためしゃがぱんやトゥースマのような軸補正力の弱い技は横方向にかなり弱くなります。どういうことかと言うと、相手が最速でトゥースマやしゃがぱんを出しても、技は明後日の方向に出るようになります。そのため、シュレッドチッパーで相手の大体の暴れがケアできるということです。また、この技は空中ヒット時に叩きつけとなり、更に多段ヒット技です。これがどういうことかというと、ダウンした相手にこの技で追い打ちを行うことで、床崩れステージではダウンからコンボにいけるようになるということです。この技唯一の弱点はジャンプステータスに弱いことです。一般的なジャンプステータス発生を持つ技(ライトゥーとか)に対して割れない連携は作れません。これは多くの構え下段に共通する弱点なので、仕方ないといえば仕方のないことです。
クロックセッティング(DF中2RP)
もう1つの下段攻撃です。かつては発生も30と非常に遅く、当てても不利と使い道のない技でしたが、アップデートにより発生は26とやや早く、ヒット時は+4と有利が取れるようになりました。しかしながら発生26は慣れている人なら見えるライン、ダメージもヘルツブレード・スカッドの方が大きいです。この技はホールドで回転数を増やすことができ、主な用途は平地壁際でダウンを読んだ際の起き攻めとなるでしょう。ガード時もホールドなしなら-12とゲージキャラ以外には浮かず、ホールドありでも-14と浮かないキャラは多いです。
トランスミッション(DF中3WP)
DFを経由しなくても出せる技で、DF中でも同じコマンドで出せます。今作のアリサのDFを語る上で最重要とも言える技だと捉えているため、ここで解説します。発生19のパワークラッシュ(以下PC)中段攻撃です。この技は他のキャラが持つ一般的なワンコマンドPC技より明確に優れている点があり、PC判定の発生が他は普通8フレからのところ、この技は6フレから発生します。ガード時も-13と入力が極まった一八とゲージキャラ以外には浮きません。ヒット時はシーズン2まではダウンでしたがシーズン3では回転やられに変わりました。基本的にはこれは弱体化ですが壁際のみ壁やられ強が取れるようになっています。この技は対横判定もかなり大きく、デスマリオネット以外に中段で横対策となり、かつ暴れ潰しも兼ねたこの技はDF中の読み合いとして非常に重要なものだと言えるでしょう。
ヘルツブレード・トマホーク(DF中4RPLP)
中段中段の連携技です。発生が18とそれなりに早く、2発目をガードされても-3と読み合いの範疇であることから、シュレッドチッパーよりも攻めの継続性を上げた暴れ潰し中段として使えます。ヘルツブレードやデスマリオネットヒット後などの大幅有利からこの技に連携すると通常の技では割れません。ガード時は発生の早いトゥースマやしゃがぱん、生ローなどで切り返してくるなら横移動やイベイシブアクション(DF中2 or 8WK)、一度横移動やステップインを挟むなど発生の遅い重ねをするならトランスミッション、リスクを恐れて固まっているならヘルツブレード・スカッドなど展開をこちら主導で作っていけます。
レトロロケット(DF中44 or 4WK)
バーニアを噴射しながら後方に宙返りして距離を取ります。DF中でなくても出せる技と同じものです。下がる距離が大きく、硬直もそれなりにあり、派生技もありません。小回りが効かず、攻めに転じたい構えであるDFではあまり使用する必要はないでしょう。
イベイシブアクション(DF中2 or 8WK)
側面にバーニアを噴射しながら高速移動します。避ける距離が大きく、様々な技を避けられます。イベイシブアクション自体の硬直はそれなりにありますが、技を避けられた相手は多くの場合(実際には相手が有利であっても)固まることが多いです。ヘルツブレード・スカッドを軸にした二択のチャンスです。
イベイシブスラッシュ(イベイシブアクション中LP)
イベイシブアクションの派生技で、ウォールバウンド対応の中段攻撃です。シーズン2ではガード時-10なのに間合いが著しく遠くなり、実質確反のない技で強力でしたが、シーズン3からさすがに距離が近くなり不利フレも増え確反が安定するようになりました。とはいえイベイシブアクションからの他の技では間に合わないスカ確もイベイシブスラッシュなら間に合う可能性があり、壁際では言うまでもなく高リターンであるため、封印するにはもったいない技でしょう。
スピンドルスラッシング(DF中9WP)
発生が29と遅いですが、DF中唯一ジャンプステータスを持つ中段攻撃です。ヒット時はコンボ始動であるため、相手のしゃがぱんや生ローを読んだ際に出してみてもいいでしょう。発生が遅いのでそれ以外の技で撃ち落とされやすく、その際にはコンボを食らってしまいますが、ガード時は相手しゃがみで-9と確反はありません。ヘルツブレードでの暴れ潰しを多用してからなど、しゃがステ以外の暴れをケアした上での選択肢としては悪くないはずです。ただし発生29はある程度慣れたら大抵の人が見てから立てるフレームです。この技のジャンプステータス発生は非常に早く、豪鬼の瞬獄殺(レイジアーツ:LPLP6RPRK)の暗転を見てから入力してもジャンプでかわしながらコンボ始動することができます。
ヘルツブレード・フレア(DF中背向けでLP or RP)
背向け専用技です。中段、発生19、ヒットで追撃確定のダウン、ガードで確反なしと単体性能だけ見れば強力な技ですが、DF中は能動的に背向けを作る方法がないので普段は忘れていてもいいでしょう。ジャンプや、高い突進性能を持つ技ですりぬけたときなど、偶発的な背向け状態にフォローで出す技です。
デュアルブート
ここからはDF中のステップインにもあたるデュアルブート(以下DB)派生技を解説します。
デュアルブート(DF中66 or 6WK)
チェーンソーを抜きながら前方にバーニアを噴射し接近します。通常のブート(6WK)より派生可能行動が少なくなっています。
デュアルブート~キャンセル(DB中4)
DBをキャンセルしその場で止まります。遠距離でDFを構えているとき、この技でフェイントをかけないとDB派生技は容易に横移動で対処されるでしょう。
デュアルブート~イベイシブアクション(DB中2 or 8)
DBからイベイシブアクションに移行します。派生技は同一。硬直が長いので、そこまで使わなくてもよい派生かとは思います。
ブラスターレフト(DB中LP)
上段攻撃です。ガード、ヒット共に大幅有利で、ヘルツブレード・トマホークが普通の技には割られず、シュレッドチッパーに連携させればレイジアーツにも割られません。かつてはガード時の間合いが非常に遠く、1回のバックダッシュでその場から出す技全てを無効化できましたが、シーズン2からガード時の距離が近くなり簡単に択をかけられるようになりました。
ブラスターライト・バースト(DB中RPLP)
高威力ですが、1発止め(ブラスターライト:DB中RP)はガード時の不利フレが非常に大きく、出し切りは上段と基本的にはコンボ用の技と言えるでしょう。ただし、技中に潜り性能があり、スナップショット(立ち途中RP)ガード時にこの技に連携することで確反として出された上段技を避けられる場合があります。1発ネタとして。
ブラスタードリル(DB中WP)
ダウンに当たる中段攻撃です。シュレッドチッパーヒット後の起き攻めに使うのが基本ですが、中距離から仕掛けた場合もガード後五分のため、展開を作っていける技です。対横判定は大きい方ですが、対横追尾性能はほぼないので横移動には注意です。
イジェクトスライダー(DB中LK)、アップストリーム(DB中RK)
ブートからしか出ない派生でしたが、シーズン3からDB中にも技を出せるようになりました。DF固有の技ではないため、解説は省きます。
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